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大学を卒業してから就職し、34年間働いてきた大手製薬会社を私は60歳で退職し、知り合いの紹介で、小さな製薬会社に転職しました。私がまだ若かった頃は定年は55歳でしたが、現在では65歳までの就業が当たり前になってきました。また最近では、将来的には75歳まで働けるように、制度の見直しを政府は検討しているといった報道も耳にしています。
私が最初に勤めていた製薬会社では、59歳になると人事部から定年延長の意思確認があります。その際、60歳の定年後の雇用条件が提示されます。当時私は、勤めていた製薬会社の子会社に出向していて、60歳以降の定年延長の意思確認については、子会社の社長から直接打診を受けました。当時、私の年収は1千万円を超えていましたが、定年延長後の年収は定額で3百万円弱でした。雇用形態は嘱託で5年間の契約というものでした。子会社の社長は、私が当時担当していた衛生検査所の管理者(部長待遇)を続投させたいと考えており、子会社独自に百万円を上乗せしてくれましたが、それでも年収はいままでの1/3程度です。仕事の内容は今までと全く変わらないにも関わらず、年収がたったの1/3に減ってしまうことに、私は納得が出来ませんでした。
丁度その頃に、以前は同じ製薬会社で働いていた先輩から、内に来ないかと誘われたのです。当然、同じ会社で働いていた先輩なので、定年を迎えようとしている私の会社からの処遇は知っています。小さい会社だが、内ならもっと優遇できると6百万円と、研究開発部部長のポスト、さらに成果次第ではプラスアルファもあるとの条件を提示されました。そして私は、それまで勤めてきた会社を辞めて、先輩が取締役として勤務している製薬会社に転職することに決めました。私がこの時、定年延長でそのまま残るか、転職するかの判断は以下のようにして決めました。
先ず、定年延長を受け入れて残った場合、5年間の総賃金は約2千万円です。したがって、転職した場合は3年強でその金額が稼げる計算になります。当時、長期間働きたくなかった私には魅力的でした。そして仕事の内容については、そのまま残った場合は、仕事にも慣れていたし、外部にも色々と人脈もあったので、この歳で別の会社の研究部門を統括するよりは、残った方が遥かに楽でした。賃金的な要因と、仕事面の要因を考えた結果、私は、もし転職した職場での職務が自分に合わなかったとしても、約3年間我慢すればいいとの結論に達して、転職することにしました。その結果、転職した職場での仕事は、かなりハードだったため、3年で私はその会社を退職してしまいました。恐らく、残って働いていたら仕事は楽だったし、5年間働けたかもしれません。
今になって考えてみると、決断を下す際にはもう1つ、あることを慎重に考えておく必要があったと後悔しています。それは、将来的な年金の受給額についてです。老齢基礎年金については、20歳から60歳までの被保険者期間で決まるので、その期間中に未納期間がなければ問題はないのですが、老齢厚生年金の方は、被保険者期間が長く収入が多ければ、将来の年金受給額が多くなります。おまけに私の場合は、未納期間もあったので尚更です。
高齢で転職を考える場合には、年収や仕事の内容だけでなく、将来的な年金の受給額についても熟慮する必要があります。